骨折は、日常生活やスポーツ活動の中で誰にでも起こり得るケガのひとつです。
転倒や交通事故、スポーツ中の衝突など、原因はさまざまですが、
骨折をした際に最も大切なのは
「適切な初期対応」と「その後の治療・リハビリ」
接骨院では、柔道整復師が骨折に対する応急処置や固定、
リハビリを行い、患者さんの回復をサポートします。
今回は、骨折の種類から応急処置、接骨院での対応、
そして回復に向けたリハビリまでを詳しく解説します!

骨折の種類と特徴
骨折と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
完全骨折:骨が完全に折れている状態。強い痛みと変形を伴うことが多い。
不全骨折(ひび):骨の一部にひびが入った状態。
外見上は分かりにくいが、強い痛みや腫れがある。
開放骨折:骨が皮膚を突き破って外に出ている状態。
感染リスクが高く、緊急性が非常に高い。
疲労骨折:同じ部位に繰り返し負荷がかかることで起こる。スポーツ選手に多い。
病的骨折:骨粗鬆症や腫瘍など、骨の強度が低下している場合にわずかな衝撃で起こる。
骨折の種類を正しく理解することは、その後の治療方針を決める上で非常に重要です!

骨折時の応急処置
骨折が疑われる場合、まず行うべきは「応急処置」です。
応急処置の手当の基本はRICE処置と言われてきました。
Rest(安静)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
これらの頭文字をとったものであり、スポーツを始め外傷の緊急処置の基本と言われています。
しかし、安静だけでは、損傷した組織を保護できないことから、
RICEにProtection(保護)を加えたPRICEと呼ばれる処置に変遷してきました。
さらに近年において、急性損傷の早期管理として必要以上の固定、
安静は悪影響を及ぼすことが分かってきており、安静(Rest)を、
Optimal Loading(最適な負荷)に置き換えたPOLICEという概念が広まりつつあります。
【POLICE】
Protection(保護):装具やシーネなどで損傷組織を保護し、再受傷、悪化を防ぐことが目的。
Optimal Loading(最適な負荷):早期に最適な負荷をかけることで最適な組織修復を促すことが目的。
各組織、部位に対する適切な負荷は専門家の意見を聞いてから行うことを推奨します。
Ice(冷却)疼痛の緩和、異常な筋収縮パターンを改善することが目的。
Compression(圧迫)患部の内出血や腫脹を防ぐことが目的。
Elevation(挙上):浮腫の軽減を図ることが目的。
【Optimal Loading:(最適な負荷)とは】
生理学的適応を最大化する構造にかかる負荷であり、
早期の最適な負荷は治癒に関連する重要なタンパク質の生成を促進し、
修復の質を改善することで細胞応答を促進すると考えられています。
適切な負荷を適切な組織に機能的範囲内で行うことで、最適な組織修復が期待されます。

接骨院での骨折対応
接骨院では、柔道整復師が骨折に対して以下のような処置を行います。
観察と評価
視診・触診・徒手検査を行い、骨折の可能性を確認します。
必要に応じて整形外科への紹介も行います。
整復(骨の位置を整える)
骨がずれている場合、可能な範囲で整復を行い、自然な位置に戻します。
固定処置
• キャストやギプスによる固定
• テーピングや包帯での補助固定
固定は骨癒合を促すために欠かせない工程です。
物理療法・手技療法
• 電気治療や超音波療法による骨癒合促進
• 周囲の筋肉の緊張を和らげるマッサージ
• 血流改善のための温熱療法
医療機関との連携
レントゲンや手術が必要な場合は、整形外科と連携して治療を進めます。
接骨院は保存療法を中心に行うため、医師の診断と併用することが望ましいです。
骨折後のリハビリ
骨折は「骨がくっついたら終わり」ではありません。
固定期間中に筋肉や関節は硬くなり、可動域が制限されます。
そのため、リハビリが非常に重要です。
• 可動域訓練:関節を少しずつ動かし、固まった可動域を回復させる。
• 筋力強化:固定で弱った筋肉を鍛え直す。ゴムバンドや軽いダンベルを使った運動が有効。
• バランス訓練:特に下肢の骨折では、再び歩行やスポーツに復帰するためにバランス感覚を取り戻す必要がある。
• 姿勢矯正:骨折による痛みや不安から姿勢が崩れることが多く、正しい姿勢を取り戻す指導も行う。

骨折を防ぐためにできること
骨折は予防も可能です。特に高齢者やスポーツ選手は日常的なケアが重要です。
• 骨を強くする栄養:カルシウム、ビタミンD、タンパク質を意識的に摂取する。
• 運動習慣:筋力トレーニングやストレッチで骨や関節を守る。
• 生活習慣の改善:睡眠不足や過度な飲酒は骨の健康を損なうため注意。
• 転倒予防:室内の段差をなくす、滑りにくい靴を履くなどの工夫も大切。
骨折は誰にでも起こり得るケガですが、
正しい処置とリハビリを行うことで、後遺症を残さず回復することが可能です。
飯田市・上伊那・下伊那エリアの松川町にある剛憇接骨院では、
応急処置から固定、リハビリまで幅広くサポートを行い、患者さんの生活復帰を支えています。
「骨折かもしれない」と思ったら、まずは安静にして応急処置を行い、
速やかに接骨院や医療機関に相談してください。